出っ歯や、八重歯、並び方がバラバラで噛み合わせが悪いなど、歯並びに関する悩みは人それぞれ違うと思います。そんな悩みを解決するのが矯正治療です。しかし、矯正治療の治療費は決して安いと言える金額ではなく、治療が完璧に完了するまでに1~2年ほど必要になります。そのため、綺麗な歯並びを手に入れたいけれど、なかなか矯正治療に踏み出すことができないという人も多いでしょう。そこで、今回は治療費を抑えて治療期間が短く済む「部分矯正」のメリットやデメリット、費用などの詳細をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
部分矯正について
部分矯正のメリットやデメリットを見ていく前に、まずは、部分矯正にはどのような種類があって、通常の矯正と何が違うのかを確認していきましょう。
部分矯正とは
通常矯正を行う際は、歯の全体に矯正装置をつけて歯並びを整えるのですが、部分矯正は気になる一部の歯だけを移動して、歯並びをキレイにする方法です。「突き出した八重歯だけを治したい」「上顎の前歯の並びだけ整えたい」など、希望された部分のみを動かして矯正するので、全体矯正よりも治療期間が短く、費用を抑えることができます。しかし、噛み合わせを改善する効果は低いので、あくまで部分的な問題の改善を求めている人に適した治療方法です。
部分矯正の種類
部分矯正も、通常の全体矯正と同様につける装置には種類があります。また、それぞれの装置にも様々な特徴があり、得られる効果や費用が大きく変わります。そのため、部分矯正を行う際は予算やライフスタイルに合った装置を選ぶようにしましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正はブラケットとワイヤーを使用した矯正方法で、表側と裏側どちらに装着するかによって費用が変わります。矯正器具を他の人に見られたくない人は裏側矯正の方がオススメですが値段は高くなります。しかし表側のワイヤー矯正も、白色のワイヤーを使用して極力目立たないようにすることは可能なので、予算と相談しながら決めましょう。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は簡単に取り外せます。また、透明な素材が使用されているため、目立たず治療することが可能です。人前に立つお仕事をしている方や、楽器を扱う方、スポーツをしている方でも、不便なくできる矯正方法だと思います。
インプラント矯正
インプラント矯正は、歯並びのズレが大きい場合に有効な方法です。歯茎に歯を動かすためのインプラント装置を埋め込んで矯正を行うやり方なので、動かしたい歯だけをピンポイントで動かすことができます。また、歯を動かす力が強いため、治療の期間を短縮することができます。
部分矯正のメリット・デメリット
部分矯正には、様々なメリットがありますがデメリットも存在します。治療を始めてから困ってしまわないように、メリットだけではなくどのようなデメリットが存在するかをしっかりと把握しておきましょう。
メリット
・気になっている所をピンポイントで治すことができる
・治療範囲が狭いため、治療期間が短くなる
・使う器具が減り、治療期間が短くなるため治療費を抑えることができる
・歯にかかる負担が減るため不快感や痛みが少ない
デメリット
・歯並びの状態が悪いと、部分矯正が行えない場合がある
・動かすスペースがない時は抜歯をしたり、歯を削ったりしてスペースを作らなければいけない時がある
・全体的な噛み合わせの悪さは改善できない可能性がある
部分矯正に向いている方の特徴
部分矯正のメリットとデメリットは確認したけれど、「全体矯正と部分矯正どっちにすればいいか分からない」と悩んでしまう場合は、部分矯正が向いている人と向いていない人の特徴をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
部分矯正に向いている方
・「出っ歯を治したい」「歯の隙間があいている」「八重歯が気になる」など部分的な悩みがある人
・過去に行った矯正が後戻りし始めた人
・部分的に歯を動かして、インプラントやかぶせ物を入れたい人
部分矯正に向いていない方
・通常よりも大きく八重歯が突出している方
・全体的な噛み合わせが悪く部分的に治しても改善しない方
・部分的に矯正を行うことで噛み合わせの悪さが悪化する恐れがある方
上記で紹介した内容は部分矯正に「向いている・向いていない」人の特徴です。治療が「できる・できない」の判断は最終的に医師が行うので、上記の部分矯正に向いていない方の項目に当てはまっても、医師に相談をすればできる可能性はあります。カウンセリング時に部分矯正を希望する旨はしっかりと伝えておきましょう。
治療費について
部分矯正の費用は、行う治療内容によって大きく変わります。基本的に部分矯正は全体矯正の3分1の費用で行えると言われています。例えば、ブラケット矯正を全体に行った場合は基本的に50万円~80万円ほどかかりますが、上顎の前歯のみの矯正だと15万円~50万円ほどで治療できるので、大きく費用を抑えることができます。しかし、矯正治療は基本的に医院が自由に価格を決められる自由診療なので、歯科医院によって値段が大きく変わります。カウンセリング時に見積もりをだしてもらい、どれくらいの治療費がかかるかは把握しておきましょう。
また、治療費の保険適用に関しては、美容目的の治療なら保険の適用ができないので、治療をする前に保険が適用されるかどうかを確認することも大切です。
部分矯正が自分に合う治療方法かしっかりと見極めよう
部分矯正は、全体矯正よりも治療期間が短く費用を抑えることができる治療法ですが、全部の歯並びの問題を解決することはできません。部分矯正を考えている人は、部分矯正でしっかりと希望通りの結果になるかどうかを見極める必要があります。全体矯正でしか治せない歯並びもあれば、部分矯正にしかないメリットもあるので、歯科医師と相談をしながらじっくりと自分に合う治療方法を定めていきましょう。
名古屋付近で歯列矯正を考えている方に向けて、おすすめの矯正歯科や矯正に関する基礎知識をご紹介しています。
歯の矯正は慎重に考えているという方も多いでしょう。
歯列矯正に失敗しないためにも、ぜひ基礎知識については知っておくことをおすすめします。